瑞穂区桜山駅4番出口より徒歩1分の桜山あしかり歯科の院長です。
久しぶりのブログ投稿になってしまいました笑
患者さんや他の方より『ブログ次回楽しみにしてるよ〜』とよく言われるので出来る限り
頑張りたいと思います!
今日は外科的再植術についてです。
殆どの方が聞いた事ない言葉ではないかなと思います。
先日の患者さんとの会話になります。
Kr「先生、前歯がグラグラするんです!!」
Kr「あと噛むと痛くて、、」
Dr「前歯は差し歯になってますね、確かにグラグラしていますね」
Kr「昔に作った差し歯だと思うんですけど」
Dr「もしかすると中で歯が折れているかもしれませんね」
Kr「折れてますか?! ただここまでグラグラするとなるとそんな気がします、、」
Dr「もしかすると中で歯の根っこが深く折れていた場合、最悪歯を抜かないといけなく
なりますけど、中の状態を確認して診ますか?」
Kr「もう痛いし、このままだと何も食事ができないのでお願いします」
こんな内容でした。
その患者さんの差し歯を慎重に外してみると
このようになっていました。
上の歯を下から撮影している状態です。
向かって左側の歯の根っこが
完全に折れています。
上の歯を下から撮影しており、写真の左側は唇になります。
通常歯が折れてしまった(歯根破折)場合、折れ方にもよりますが、
治療法としては大体の場合抜歯を選択することが多いと思います。
今回の場合は外科的再植という治療法を患者さんに提案をし、その治療を行う事にしました。
外科的再植とは簡単に言うと、ダメな歯を1回抜いて外で処置をしてもう1回抜いた場所に戻す治療法になります。
外科的再植は決して容易に第一選択として行う処置法ではないと思いますが、
どうしても歯を抜きたくない、どうしても歯をできる限り残したいと言う場合、
条件が揃えばご自身の歯が保存できるかもしれない治療法だと思います。
今回の場合は中の根っこは折れていますが、それ以外は特に問題が無かったので
折れた根っこを1度抜歯して180度根っこを回転させて、折れた根っこを
口蓋(上あご)の方に持ってきて固定しました。
このように歯根を抜歯後回転させて固定する意味はまた別の機会にブログに書こうと思います。
そしてこの再植した歯の固定を1ヶ月行います。
1ヶ月後に固定を除去すると
このように歯肉の炎症も無く、歯牙の動揺もなく、周りの組織は安定しています。
またこの固定の期間は患者さんには仮歯が入っていますが、硬いものの咀嚼は控えて
もらいますが、それ以外の日常生活は特に気をつける事はありません。
この後に歯根にグラスファイバーの土台を建てて
ここまできました。
この写真で見ると左の歯が折れた歯で、若干歯肉に炎症が残っているようにも見えます。
この後仮歯を修正し、歯肉の炎症が落ち着いくのを待って最終的な補綴物(差し歯)に移行をします。
今回は患者さん自身も抜歯を覚悟していましたので、再植という治療法が良好な経過を辿り患者さん自身もとても喜んでおりました。
歯根破折の歯は通常抜歯になってしまう事が多いですが、条件が揃えばこのような治療もありますので、
もし悩まれている方は一度かかりつけの先生に相談してみてはいかがでしょうか。