瑞穂区桜山駅4番出口より徒歩1分の桜山あしかり歯科の院長です。
今日は先日の歯科衛生士との会話です。
DH「先生、この方左上の4番がポケットが深いんですよ」
Dr「他の部位はどうなの」
DH「他の部位は特に問題はないんですけども…」
Dr「プロービングで出血はある?」
DH「あります」
Dr「では逆に聞くけど、上顎4番、5番でポケットが深くなる原因は何が考えられるの?」
DH「。。。。」
Dr「ヒントは歯の形態異常と言えば分かるかな?」
DH「。。。」
Dr「学校で勉強してると思うけど笑」
Dr「根面溝って言ったら分かる??」
DH「あっ、なんか聞いた事あります!」
Dr「笑」
Dr「上顎の4番5番の近心、遠心両サイドに見られる形態異常でこれが付着を妨げる原因になってるわけ」
Dr「根面溝は解剖学形態によって、歯周病の悪化因子になるから気をつけて口腔内を観察する必要があるよ」
この様な会話でした。
歯と歯茎の境目にはポケット(歯周ポケット)と呼ばれる溝があり、
正常な場合ですと2〜3㎜程度ですがこの歯周ポケットが4㎜以上だと
歯周病になりかけている可能性があります。
この歯周ポケットが深くなる原因が様々なのですが、
その一つにこの根面溝という解剖学形態による物があります。
この写真は左上の4番(小臼歯部)の歯周ポケットが深く、
出血、排膿しておりましたので、外科的に治療を行なっている際の
写真(写真は患者さんの同意を得て載せております)なのですが、
この白い枠で囲った部位が歯根の根面溝という形態になります。
この根がくびれた様な形態をしている為に、歯肉の付着を阻害する事により、
歯周ポケットが深くなりそこから菌感染が起こり、出血や排膿、
または歯茎の浮いた感じや違和感を感じる様になるのです。
また歯ぎしりや食いしばりなどの力により、根面溝のあるポケットがより深くなる
可能性もありますので、メインテナンス時にはこの様な部位の確認や、
ナイトガードのチェックが必要になります。
最近歯が浮いた感じがする、歯茎から出血する、噛むと痛い、
歯ぎしり食いしばりを家族から指摘されている方は
一度お近くの歯科医院で診てもらってはいかがでしょうか。