瑞穂区桜山駅より徒歩1分の桜山あしかり歯科です。
今回は骨隆起についてです。
この間の患者さんとの会話です。
Kr「先生、この下顎の内側にコブみたいな物ができてるんですけど、
これってガンですか?!」
Dr「いえ、これは癌ではないですよ。骨の隆起です」
Kr「骨の隆起??骨が増殖してくれんですか??」
Dr「そうですよ。特に噛み合わせが強かったり、歯軋り、食いしばりが
強い人に出てくる傾向がありますね」
Kr「何でそんなものができるんですか?」
Dr「これは噛み合わせなど力が強い方が、そのままだと顎骨が骨折して
しまうので、その防御反応と言われているのですよ」
Kr「そうなんですね。これって取る必要とかないんですか?」
Dr「特に何も無ければ取る必要はないですよ。ただし入れ歯が下顎に入れる
必要のある方はどうしてもこのコブがあると作成できませんので、
その場合は削除する必要がありますけどね」
Kr「そうなんですね。入れ歯にならないように頑張ります」
Dr「自分の歯が一番ですよね」
このような会話でした。
皆さん、お口の中に何かボコッとしたような出っ張りはありませんか?
それは骨隆起というものです。
骨隆起って、いったいどんなものなのでしょう。
骨隆起とは、歯茎の下にできるコブのようなボコッとしたでっぱりの事をいいます。
骨隆起というので、骨の塊でできた隆起になります。
全て骨の為、触るとすごく硬いものになります。その上に薄い歯茎が覆っているのです。
この骨隆起は歯茎の炎症や、腫瘍などではないので痛みは基本的にありません。
ただ骨隆起の場所や大きさによって喋り辛い、食べた物が当たると痛いといった事が出てくる場合があります。
それと、でっぱりが気になって必要以上に触ってしまい痛みが出る場合や、骨が出っ張ってるせいで歯茎の粘膜が薄く傷がいきやすくなってしまいます。
では治療は必要なのでしょうか?
骨隆起は、炎症や腫瘍、口腔癌でもありませんので、基本的に治療は必要ありません。
ですが、骨隆起があることによって喋りにくい、固い食べ物を食べると毎回傷ついてしまう、入れ歯を入れたいが骨隆起が邪魔でキッチリとした入れ歯が作れないなどといった方には治療が必要になります。
基本的に骨隆起というのは、体に害のあるものではないので、ご本人が気にならなければ治療は必要ありません。
では骨隆起の原因って何でしょうか?
ハッキリした原因は不明ですが、主に噛む時の強い力によって顎の骨に負担がかかり、その刺激によって骨が盛り上がっていきます。
歯ぎしりをよくする人や食いしばりをする方など力の強い方は骨隆起ができやすいかと思われます。
それと、遺伝的な可能性もあると言われています。
では骨隆起のできやすい場所としてはどこになるのでしょうか?
下顎隆起
下顎の内側にみられる半球状の骨の膨らみです。
基本的に左右対称にみられます。
特に力がかかっている所にできると言われていますが、主に小臼歯の舌側にできるので、骨隆起が大きくなると下が上に持ち上がるようなかたちになり、喋りにくくなる事があります。
口蓋隆起
上顎の真ん中にできる骨の膨らみです。
自覚症状がなく、上顎を自分で見る事も少ないと思うので気づかないうちに大きくなっている事が多いでしょう。
多いのが、上顎を熱いものを食べて火傷したり、口内炎が出来て痛くなったりして気づく方が多いと思われます。
口蓋隆起も大きくなる事により発音障害や、食べ物が食べにくくなったりする事があります。
固い物があたると粘膜が薄いのですぐに傷付いてしまう事が多いです。
歯槽隆起
歯を支えている歯槽骨という骨に膨らみができます。
これも強い力がかかり、それが刺激となって増殖します。
歯槽隆起は上下の歯茎にできます。
歯槽隆起によって食べ物の流動性が悪くなり、歯茎の根元にプラークがたまりやすくなり、歯周病が進行する事もあります。
今日は長くなってしまったので、次回は骨隆起の治療法について書きたいと思います。