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唾液について

瑞穂区桜山4番出口より徒歩1分の桜山あしかり歯科です。

今日は唾液について書こうと思います。

口の中は何もしていない時や食事中いつも潤っていますよね。これは常に口の中に唾液が分泌されているからです。

実はこの唾液が口の中の健康を保つために非常に重要な役割を果たしているんですよ。

もし唾液が口の中になければ様々な病気を引き起こしてしまいます。

つまり唾液には口の中を正常な状態に保つという非常に重要な働きがあります。

では唾液はどこで作られているのでしょうか?

人には唾液を作る耳下腺、顎下腺、舌下腺という三大唾液腺があり、頬の内側や舌の下の部分から多くの唾液を排出しています。

その他口腔粘膜や喉の粘膜の一部にも小唾液腺唾液という唾液を作り出す腺があり、これらすべてがお口の中を乾燥しないように常に唾液を作り出しています。唾液は正常な人で、一日に約1~1.5ℓ作られるそうですよ。

もし食事の時に唾液がなかったら、物を噛んで飲み込みやすい大きさにすることもできませんし、それを飲み込むことも上手にできません。

では、唾液にはどのような作用があるのでしょう?

実は唾液には大きく分けて8つの作用があります。

①消化作用

唾液に含まれるアミラーゼという酵素がでんぷんを麦芽糖などに分解したり、リパーゼという脂肪を分解する酵素などが食物の消化を促進し、体内に吸収しやすくしてくれます。食事中によく噛んで唾液を出さないと、消化が進まず、胃に負担がかかってしまいます。


②味覚作用

食べ物を感じやすいように、味覚物質を溶かす作用です。味には5つ基本味というものがありますが、食べ物に含まれる味覚物質が唾液の水分に溶け、味覚を感じる器官へと届きやすくします。逆に唾液の量が少ないと、味を感じにくくなり、味覚異常や食欲減退につながることもあります。味を感知する細胞は舌や軟口蓋、喉頭・咽頭等に分布しています。

③潤滑作用

口の中の食べ物を唾液で濡らすことで、食べ物が喉を通りやすくする作用で潤滑剤として役に立っています。この作用があるので食べ物を噛みやすく、飲み込みやすくしたりしています。

④抗菌作用

唾液に含まれる抗菌物質が、粘膜を保護する作用で、唾液中のペルオキシダーゼやラクトフェリン、リゾチームと呼ばれる抗菌物質が、お口の中の細菌を取り除き細菌の増加を抑えています。

⑤再石灰化

脱灰により溶け出した歯を修復する作用になります。口の中では、糖を摂取するたびに歯の成分であるリン酸イオンやカルシウムイオンが溶け出す脱灰(だっかい)とそれを修復する再石灰化が交互に行われています。この修復する機能を唾液が受け持っています。唾液が脱灰と修復(再石灰化)のバランスを保ち、歯の健康を支えています。唾液の分泌をよくすることで再石灰化が促され、虫歯の防止をしてくれるのです。

⑥緩衝作用

口の中のpHを一定に保つ作用です。糖を摂取するとお口の中の虫歯菌は酸を作り出します。この酸によって口の中のpHが5.5より下がると歯は溶けだしてしまいます。これを脱灰と言います。これが虫歯になっていくのですが、そうならないように酸性になったお口の中を中性に戻そうという作用が唾液にはあります。これを緩衝作用といいます。唾液の量が少なかったり、間食が多く常に糖を摂取している人はこの緩衝能が追い付かないので虫歯のリスクが高くなってしまいます。

⑦自浄作用

口の中の汚れを唾液によって洗い流しキレイにする作用で、食事の際に食べ物が歯につかないようにしたり、付着してしまったものを洗い流したりする働きです。食べかすは分解され歯垢(プラーク)になりますし、虫歯菌や歯周病菌は歯垢の中にひそんでいるので、その付着を防ぐことで虫歯や歯周病の予防になります。

⑧保護作用

舌や口の中の粘膜を潤し、乾燥から保護する作用になります。唾液が粘膜を保護し、熱いものや冷たいものなどの温度がある刺激や炭酸や酸性などの化学的刺激、魚の骨や硬いおせんべいなどの機械的な刺激から守るわけです。唾液がなければ食事をするたびに口の中を傷つけてしまいます。また歯の表面を薄い膜で保護し、唾液に含まれる糖タンパクがペリクルという膜をつくり、細菌から歯を守ってくれます。

これらの8つの作用がお口の中を正常な状態に保ち、健康の維持に役立っているのです。

しかし、高齢になるとこの唾液の出る量が減ってきてしまい、30歳代をピークに少しずつ減少し高齢者になると半分程度になるとも言われております。

また、唾液腺の病気で、もともと唾液が出にくくなったり、ストレスや疲労でも唾液の分泌量は減少してきます。このような方は、この唾液を多く出すために歯磨きなどでお口の中を清潔に保つだけでなく、多くの唾液を出すための唾液腺マッサージなどリハビリが注目されてきています。

口は人が栄養をとる最初の消化管なので、噛んだり、飲み込んだりする機能が衰えてくると食事量が減り、栄養が低下してしまいます。この結果、筋肉量が減少し、人の体を弱らせ、病気になりやすくなったり、認知機能の低下にも繋がったりします。その結果、要介護状態を作り出してしまいますのでよく噛み、よく唾液をだして、お口の中を健康に保つように心がけてみてはいかがでしょうか。