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骨隆起の処置について

瑞穂区桜山駅4番出口より徒歩1分の桜山あしかり歯科の院長です。

皆さん、お口の中に何かボコッとしたような出っ張りはありませんか?
それは骨隆起というものです。
骨隆起って、いったいどんなものなのでしょうか。
骨隆起とは、歯茎の下にできるコブのようなボコッとしたでっぱりの事をいいます。
骨隆起というので、骨の塊でできた隆起になります。
全て骨の為、触るとすごく硬いものになります。その上に薄い歯茎が覆っているのです。
この骨隆起は歯茎の炎症や、腫瘍などではないので痛みは基本的にありません。
ただ骨隆起の場所や大きさにより喋り辛い、食べた物が当たると痛いといった事が出てくる場合があります。
それと、でっぱりが気になって必要以上に触ったりする事により痛みが出る場合や、
骨が出っ張ってるせいで歯茎の粘膜が薄く火傷や傷が出来やすくなってしまいます。

ではこの骨隆起は治療は必要なのでしょうか?
骨隆起は、炎症や腫瘍、口腔癌でもありませんので、基本的に治療は必要ありません。
ですが、骨隆起があることによって喋りにくい、固い食べ物を食べると毎回傷ついてしまう、入れ歯を入れたいが骨隆起が邪魔でキッチリとした入れ歯が作れないなどといった方には治療が必要になります。
基本的に骨隆起というのは、体に害のあるものではないので、ご本人が気にならなければ治療は必要ありません。

では骨隆起の原因って何でしょうか?
ハッキリした原因は不明ですが、主に噛む時の強い力によって顎の骨に負担がかかり、その刺激によって骨が盛り上がっていきます。
歯ぎしりをよくする人や食いしばりをする方など力の強い方は骨隆起ができやすいかと思われます。
それと、遺伝的な可能性もあると言われています。

先日、この骨隆起の中でも上顎に出来る口蓋隆起を除去しました。

その患者さんとの会話になります。

Kr「先生、この上あごに出来た硬いものって癌ですか?!」

Dr「いえ、これは癌ではなく、口蓋隆起と言って骨の塊になります」

Dr「特に悪いものではありませんので、気にならないようでしたらそのままでも良いですよ」

Kr「喋る時ととかもの凄い気になるんですよ」

Kr「これ、取れますか??」

Dr「骨隆起を除去することは出来ますよ、少し大変ですけど」

Kr「もうこの塊取って下さい!」

という会話でした。

その時の骨隆起の写真がこちらです。

 


上顎に出来たこの骨隆起を外科的に除去していきます。

まずこの骨隆起の真上を切開していきます。


この後、骨隆起を明示し、骨を分割して除去していきます。

骨隆起を除去した写真がこちらです。


綺麗に骨の隆起が無くなりました。

後は切開した部位を縫合して処置は終了になります。


1週間後に糸を抜きます。



まだ隆起がある様に見えますが、これは骨隆起を削除した際に止血剤を中に入れている事と、

骨隆起があった状態から、無くなると粘膜が余りますのでその影響なので全く問題ありません。

その後粘膜の治癒の経過を追って3ヶ月後がこちらになります。

非常に綺麗に治癒しています。

このまま粘膜の治癒の経過を見ていく形になります。

つい先日処置をされた患者さんと喋っていたのですが、

Kr「先生、処置自体はしんどかったけど、やっぱり骨隆起取ってよかった!!」

Dr「そうですか、処置時間がかかってしまって申し訳ありませんでした」

Kr「全然大丈夫よ! 骨が無くなった事で非常に喋りやすくなったし、火傷はしなく

  なったし舌の位置もいつも正しい位置における様になったし、本当快適!!」

Kr「本当処置して良かったです!!」

Dr「そう言って頂けると、頑張って処置した甲斐があります、有難うございます」

この様な会話でした。

冒頭でもお話しした様に、骨隆起自体は特に切除する必要もありませんが、

何かしら日常生活に不具合を感じられている様でしたら、除去する事もおすすめしますよ。

もし気になる方がいれば、かかりつけの歯科医院で聞いてみては如何でしょうか。