瑞穂区桜山駅より徒歩1分の桜山あしかり歯科です。
今日は歯を抜いた後、放置をしたらどうなるか?について書こうと思います。
先日の患者さんとの会話です。
Kr『なんか右上が歯の段差みたいなものが出来て、噛み合わせも変なんです
けど虫歯か何かなってますか?』
Dr『そうですね、小さい虫歯はありますけどおそらくその虫歯が原因ではな
いと思いますよ。歯の段差は下の歯が無いために上の歯が噛み合う所が
なくなり、下に降りてきている状態です。
あと右下の歯が手前の歯が抜けているために奥の歯が前に倒れてきてし
まっているのです。そのように歯のバランス(噛み合わせ)がおかしく
なってきている可能性があります。』
Kr『え?歯が伸びるんですか?』
Dr『はい。歯は上下で噛んでいてその位置を保っているのでどちらかの歯が
なくなると、そのもう片方の歯が伸びてきてしまうのです。』
Dr『歯を抜いたのはいつ頃なのですか?』
Kr『おそらく10年程前だと思うんですけど』
Dr『大体、歯が移動してくるのは半年から1年程経過してからと言われてい
ますので、そこから少しずつ歯が移動してきたんでしょうね。』
Kr『下の奥歯は前に倒れてしまっているのはどうしたら良いですか?
素人考えだと奥の親知らずを抜けばなんとかならないですか?』
Dr『歯は常に前に行く力がかかっているので、例え奥の親知らずを抜いて
も歯が奥に起きてくる事はないんですよ。』
kr『昔、歯を抜いた後に入れ歯を作ってもらって入れてたけど、すぐ外れる
し、そのまま使わなくなったらどっかいってしましました。』
Dr『入れ歯を少しでも使って入れば、奥の歯が前に倒れてきたり、上の歯が
下に伸びてきたりする事はなかったでしょう。』
Kr『なんとかならないもんなんですかね?』
Dr『いくつか治療を考えてみましょう』
このような会話でした。
歯を残念な事に虫歯か根っこの破折などで失くしてしまうと、歯の痛みの原因から解放されてします為に、そのまま放置してしまう方も少なくありません。そしてそのまま放置をすると
①歯が倒れてしまう、噛み合う歯が伸びてきてしまう。
②噛み合わせのバランスが崩れる。
③虫歯や歯周病になりやすくなる。
④噛み合わせがおかしくなる結果、歯に負荷がかかり支えている骨が吸収(下がる)しやすい。
などが挙げられます。
この病的に移動してしまった歯を治すには、矯正もしくは歯を削って被せ物で歯の形を治す、などが挙げられます。
矯正に関しては、時間もかかりますし治療費用も少しかかってしまいます。
歯を削って治すには、本来削る必要もない歯を傾いて倒れてしまっているが為に多めに歯を削ったり、最悪の場合歯の神経を取るような治療も必要になるかもしれません。
歯を1本でも失くすのはとても残念な事ですよね。
ただ歯を失くした後、放置をしなければお口の中のトラブルを最小限にする事が出来ますし、それにより治療も最小限に行う事が出来ます。
もし歯を残念にも失くしてしまった方は、是非かかりつけの先生と相談してみましょう!