瑞穂区桜山駅4番出口より徒歩1分の桜山あしかり歯科です。
今回は何故舌がピリピリ痛むのか、その原因についてです。
主に舌痛をきたす疾患として
①補綴物、義歯などによる刺激によるもの
加齢とともに舌の粘膜上皮は薄くなります。
その結果、物理的、化学的刺激により外傷を受けやすくなります。
例えば破損した不良補綴物や不適合義歯が口腔内にある事により
舌がこの不良補綴物に当たり舌の表面が擦れる事によりびらんや潰瘍になる事があります。
2.口腔の乾燥によるもの
年齢と共に口腔内の唾液の分泌量が減っていき、特に女性に多い傾向があります。
唾液分泌が低下する事により自浄作用が無くなり、粘膜の保護作用が喪失し、
その結果舌などの粘膜が容易に傷ついてしまう事があります。
その他の原因として外分泌腺を侵す自己免疫疾患(シェーグレン症候群)や
高血圧症や糖尿病などの薬剤の副作用、放射線治療(口腔内が照射野に含まれた場合)などが考えられます。
3.全身疾患に伴う舌痛によるもの
赤い平らな舌、嚥下困難、口角亀裂、サジ状爪が特徴的な所見のプランマービンソン症候群(鉄欠乏性貧血)や胃切除後あるいは悪性貧血(ビタミンB12および葉酸が欠乏)、慢性表在性舌炎(メーラー舌炎、ハンター舌炎)などが挙げられます。
4.感染症などによる炎症によるもの
舌が易受傷性、唾液分泌低下による粘膜保護作用の低下、全身的免疫能の低下により様々な口腔感染症が引き起こされます。
カンジダ症、ヘルペス感染、水痘、帯状疱疹ウイルス感染やアフタ性口内炎などが考えられます。
5.悪性腫瘍によるもの
舌癌の浸潤により知覚神経を刺激する事により引き起こされます。
6.神経痛によるもの
下顎神経に神経痛が生じると舌体部に舌痛が生じ、舌を動かしたりすると痛みが生じます。
痛みの特徴としては発作性、放散性、瞬時的な鋭い痛みの三叉神経痛や
舌根部に疼痛を生じ、時に咽頭や耳に放散痛があり痛みの特徴としては三叉神経痛と同様の舌咽神経痛などが考えられます。
7.舌痛症
舌に異常感を訴えるが、それに見合うだけの肉眼的な異常がないもの
(局所所見、検査所見に異常のあるものを除き、心気症に近い病態で何らかの精神的要因が背景にあるもの)
などがあります。
次回は舌痛症について詳しく書こうと思います!